『むかしむかしあるところに、死体がありました。』のあらすじと感想 昔ばなし×ミステリが新鮮でした
スポンサーリンク
表紙絵が好きだなー
おもしろそうなタイトルだなー
青柳碧人さんの「むかしむかしあるところに、死体がありました。」
前から気になっていたこの本をジャケ買い?してしまいました。
この本には、5つの短編ミステリが載っています。
- 一寸法師の不在証明
- 花咲か死者伝言
- つるの倒叙がえし
- 密室龍宮城
- 絶海の鬼ヶ島
話の元ネタは、どれもみんな知っているであろう日本の昔ばなし。
この「昔ばなし×ミステリ」という組み合わせが、僕にとっては新鮮でした。
話の元ネタを知っているだけに、頭の中に話が入ってきやすく、一気に読んでしまいました。
「むかしむかしあるところに、死体がありました。」かんたんなあらすじと感想をご紹介します。
以下ネタバレを含みます
「むかしむかしあるところに、死体がありました。」かんたんなあらすじと感想
①一寸法師の不在証明
元ネタは「一寸法師」。
ある村でひとりの男が殺されました。容疑者として浮かんだのが一寸法師。江口景末と謎の男「黒三日月」は、一寸法師のアリバイを崩せるのでしょうか?
一寸法師は悪いやつでした。
②花咲か死者伝言
元ネタは「花咲かじいさん」。
おじいさんが何者かに殺されました。その手に握られたぺんぺん草。これはダイイングメッセージなのでしょうか?飼い犬の「次郎」はおじいさんの敵討ちを決意します。
序盤で犯人の目星は付きましたが、次郎が犯人に復讐するためにとった手段は、伏線も張られてておもしろかったです。
欲望に目がくらんだ人間は怖いです。
③つるの倒叙がえし
元ネタは「鶴の恩返し」。話がよくできてるなーと思いました。これはぜひ読んでほしいです。
「警部補 古畑任三郎」みたいに、話の最初から犯人が分かっている、いわゆる倒叙ミステリってやつです。
弥兵衛という男が、村の庄屋を殺害するシーンから始まるこの話。罠にかかった自分を助けてくれた弥兵衛に恩返しするために、「つう」は人間の女性に姿を変え、弥兵衛の家を訪ねます。
三人称視点で進んでいくこの話、ナレーターが2人いたり、読んでいると、ところどころに微妙な違和感が…
最後まで読んで「そういうことだったのか!」と違和感の原因がわかったときはスッキリしました。
こういう読者へのトリック大好きです。
④密室龍宮城
元ネタは「浦島太郎」。浦島太郎が助けた亀に連れられて行ったのは龍宮城。そこで密室殺人が起こります。浦島太郎は犯人を見つけ出すことができるのでしょうか。
「乙姫犯人じゃないの?」
⑤絶海の鬼ヶ島
元ネタは「桃太郎」。
鬼ヶ島には現在13頭の鬼が住んでいます。ある日「鬼茂」が何者かに殺される事件が起きました。その後も次々と殺されていく鬼たち。犯人は桃太郎とその仲間たちなのでしょうか。
「鬼太」とか「鬼郎」とか、登場する鬼の名前の頭に「鬼」が付くので、ちょっと分かりづらかったかな、という印象です。意外な犯人で話がおもしろかっただけに、ストーリーに集中できなかったのは少し残念でした。
最後に
昔ばなしを元ネタにしたミステリ「むかしむかしあるところに、死体がありました。」
今までに読んだことがない組み合わせが新鮮で、最後まで一気に読みました。
僕のおすすめは「つるの倒叙がえし」。興味のある方はぜひ読んでみてください!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。